著者
冨永 直之 樋口 徹 山口 太輔 宮原 貢一 緒方 伸一 梶原 哲郎
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.3137-3141, 2013 (Released:2013-09-28)
参考文献数
16
被引用文献数
2

食道のESD後の狭窄予防として,近年ではステロイド内服が使用されつつあるが,副作用の危惧から,糖尿病・ウイルス性肝炎などの患者は除外されている.ブデソニドはアンテドラッグステロイドで,局所での抗炎症反応効果が高く,全身作用が極めて低いとされているため,従来は除外されてきた症例の対象拡大が期待できる.内服であり,投薬も簡便である.今回われわれは,ブデソニドを用いて狭窄予防を試みた,食道2/3周以上剥離した5例について検討を行った.全周剥離症例に対しては効果不十分であるが,現在のところ4/5周までは狭窄予防できている.症例を重ね,今後も更なる検討を行う予定である.