- 著者
-
宮原 道子
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第5回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.192, 2007 (Released:2007-10-01)
本研究では,文章の音読再生課題(実験1)と文章の校正つき音読再生課題(実験2)を用いて,課題に無関連な言語音(日本語)とオフィスノイズ(PCやコピー機などの機械音)が及ぼす影響を検討した.実験1では,有意味な言語音によってオフィスノイズよりも有意に大きな妨害効果が得られた.ところが,同音異義語を検出する校正課題と音読再生課題を同時に行った実験2では,オフィスノイズによる妨害効果のみが起こり,言語音による妨害効果は起こらなかった.以上の結果より,音読再生課題では有意味な言語音によってオフィスノイズよりも大きな妨害効果が起こること,言語音による妨害効果と同音異義語の校正課題には同じ認知処理過程が関与することが明らかとなった.この結果はCowan(1995)のモデルによる説明が可能である.