- 著者
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小林 伸雄
宮崎 まどか
伴 琢也
中務 明
足立 文彦
- 出版者
- 一般社団法人 園芸学会
- 雑誌
- 園芸学研究 (ISSN:13472658)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.25-29, 2010 (Released:2010-01-26)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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3原種および4品種の常緑性ツツジについて挿し木苗の根系発達特性を調査した.雨よけ遮光区,密閉挿し区およびミスト挿し区で管理したすべての系統で80%以上の発根率が得られた.挿し木苗の総根長は,キシツツジや‘大紫’で長く,サツキ‘大盃’やクルメツツジ‘麒麟’で短い傾向がみられた.また,葉数および葉面積はモチツツジの葉面積を除いて,密閉挿し区,雨よけ遮光区の順で大きい値が得られ,ミスト挿し区で最も小さくなる傾向がみられた.挿し穂の発根範囲が切り口から表土付近までと広い,モチツツジ,サツキ‘大盃’および‘白琉球’では,網円筒枠外に伸長した根数の分布範囲も広かった.一方,ヤマツツジおよびクルメツツジ‘麒麟’では発根部位は狭く,網円筒枠外に伸長した根数も少なかった.挿し木苗の根系発達特性は,圃場定植苗の根系発達特性と共通する点が多く,各野生種やそれらをもとに派生した園芸品種における多様な環境への遺伝的な適応性に由来するものと考えられる.また,これらの特性は栽培,増殖および育種に関する研究や利用の現場においては重要な情報となり得る.