著者
宮崎 寿子 秋山 隆志郎 坂元 昴
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
視聴覚教育研究 (ISSN:03867714)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.13-42, 1981

テレビ視聴の低年齢化は,最近の多くの報告書が示す通り,確実に進行している。極く最近のNHK放送世論調査所による"幼児の生活とテレビ"に関する調査(1980, 10月)でも,2歳児の一日平均視聴時間は,首都圏・地方を問わず,2時間を越している。特に1〜3歳児は4〜6歳児に比べて午前中の視聴時間が長く,未だ保育園に行かない在宅幼児が午前中に放送される幼児番組をかなり視聴していることがわかる。これらのデータからみても,現在の幼児番組においては,対象児の低年齢化と,その年齢に即した番組制作が要請されていると言えよう。このような状況を踏まえて発足した2歳児テレビ番組研究会(代表:白井常)では,1979年から2歳児番組の形成的研究と番組の効果研究を行なってきたが,本稿では1980年度に行なった4月と9月の実験の中から,"技能・生活習慣"に関するテレビセグメントと,"お話"に関するテレビセグメントを取りあげ,これらのセグメントに対する,2歳児の注視行動を中心に論ずる。