著者
宮木 秀雄 河野 宏輝
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.300-311, 2023 (Released:2023-11-25)
参考文献数
33

本研究の目的は,小学校1年生の通常の学級を対象に,ポジティブ行動マトリクスの提示,学級担任によるBehavior-Specific Praise(BSP),仲間の望ましい行動を口頭で報告し合うPositive Peer Reporting(PPR)を組み合わせた手続きによる学級規模ポジティブ行動支援(CWPBS)を実施し,その効果を検討することであった。公立小学校1年生(29名)を対象に介入を実施した結果,授業中に発表者の方に顔を向けた児童の割合および私語をせずに給食準備ができた割合が増加し,昼休み開始時に廊下を走った児童の割合は減少した。また,学級担任によるBSPの割合は,介入開始後に増加した。加えて,児童と学級担任への質問紙調査の結果より介入に関する一定の社会的妥当性も示された。