著者
宮本 弘平 高橋 世紀 安倍 敏 遠藤 達雄 小松 正志
出版者
日本接着歯学会
雑誌
接着歯学 (ISSN:09131655)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.187-197, 2002-12-25 (Released:2011-06-07)
参考文献数
35

これまで, ハロゲンランプ (HA) を光源とする光照射器が光重合型コンポジットレジンの重合に用いられてきた. 近年, キセノンランプ (XE) や青色発光ダイオード (LED) を用いた光重合器が開発され, 臨床応用されている. これらの光照射器は照射時間の短縮や発熱量軽減という利点をもつが, コンポジットレジンの重合や接着に与える影響については不明な点が多い. この研究では各種光照射器の使用によるコンポジットレジンの硬化と接着強さに与える影響について調べた. 各種光照射器の光強度を測定し, 3種類のコンポジットレジンを用い試料を重合後, ビッカース硬さ, 新鮮抜去牛歯に対する引張接着強さを測定した. 光強度はHA, XE, LEDの順に348mW/cm2, 1, 993mW/cm2, 131mW/cm2であった. XEおよびLED使用群で, すべてのコンポジットレジンのビッカース硬さはHA使用群に比較して低かった. XEはその高い光強度によって, 5秒間のみの光照射でボンディング材の重合に有利であると思われた.