著者
柳 健 笹島 耕二 宮本 昌之 横山 正 丸山 弘 田尻 孝
出版者
日本内視鏡外科学会
巻号頁・発行日
pp.775-779, 2008-12-15

◆要旨:患者は56歳,男性.肛門よりロウソクを挿入し,腹痛にて受診し入院となった.腹部CTにて直径65mm×長さ150mmの直腸内異物を確認した.大腸内視鏡検査にて直腸Raに異物の肛門側端を認めたが除去不可能であり,経肛門イレウス管を異物の口側に挿入して減圧した.腰椎麻酔下での経肛門的摘出を試みたが不可能であった.経肛門イレウス管の挿入により内服による腸管洗浄が可能であった.3日後,腹腔鏡下に小切開を置き,術者の右手を腹腔内に挿入し,用手的圧迫により経肛門的に異物を除去し得た.腹腔鏡補助下手術は腸管を詳細に観察でき,かつ最小の創で的確な手術が可能であり,非観血的に除去不可能な巨大直腸内異物に対しても非常に有用であった.