著者
川口 義樹 石 志紘 島田 敦 大石 崇 磯部 陽 松本 純夫
出版者
日本内視鏡外科学会
雑誌
日本内視鏡外科学会雑誌 (ISSN:13446703)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.215-219, 2012-04-15

◆要旨:慢性腹痛の原因と考えられた移動性盲腸に対して腹腔鏡下盲腸固定術を行い良好な結果を得たので,報告する.患者は26歳,女性.右下腹部痛を主訴に受診したが,CT検査,上部内視鏡検査,大腸内視鏡検査では特に異常を認めなかった.小腸造影で移動性盲腸と診断され,腹痛の原因である可能性が高いと考えられた.その後も症状が持続,増悪したため,インフォームドコンセントのうえで腹腔鏡下盲腸固定術を施行したところ,腹痛は消失しQOLも改善した.移動性盲腸で自験例のように腹痛を伴い,内科的治療が困難な場合には腹腔鏡下盲腸固定術は低侵襲かつ有効な術式と思われた.
著者
柳 健 笹島 耕二 宮本 昌之 横山 正 丸山 弘 田尻 孝
出版者
日本内視鏡外科学会
巻号頁・発行日
pp.775-779, 2008-12-15

◆要旨:患者は56歳,男性.肛門よりロウソクを挿入し,腹痛にて受診し入院となった.腹部CTにて直径65mm×長さ150mmの直腸内異物を確認した.大腸内視鏡検査にて直腸Raに異物の肛門側端を認めたが除去不可能であり,経肛門イレウス管を異物の口側に挿入して減圧した.腰椎麻酔下での経肛門的摘出を試みたが不可能であった.経肛門イレウス管の挿入により内服による腸管洗浄が可能であった.3日後,腹腔鏡下に小切開を置き,術者の右手を腹腔内に挿入し,用手的圧迫により経肛門的に異物を除去し得た.腹腔鏡補助下手術は腸管を詳細に観察でき,かつ最小の創で的確な手術が可能であり,非観血的に除去不可能な巨大直腸内異物に対しても非常に有用であった.
著者
松田 睦史 岡林 剛史 中川 健 長谷川 博俊 鶴田 雅士 北川 雄光
出版者
日本内視鏡外科学会
巻号頁・発行日
pp.275-281, 2016-05-15

◆要旨:患者は60歳代,男性.便潜血陽性を主訴に近医を受診し,大腸内視鏡検査で直腸癌(Ra, cT1b, N0, M0, cStageⅠ)を認めた.また,PSA高値のため行った針生検では,前立腺癌(T2c, N0, M0, StageⅡ)も合併していた.低侵襲性を考慮し,根治術を同時に施行する方針となった.手術はまず,後腹膜アプローチで前立腺全摘および両側閉鎖リンパ節郭清を行った.その後,腹腔内アプローチで低位前方切除,D3リンパ節郭清を行い,回腸人工肛門を造設した.術後経過は良好であり,第11病日に退院となった.直腸癌,前立腺癌の同時性重複癌に対し,同時に腹腔鏡下手術を施行した報告は少ない.自験例は腹腔鏡下に手術を行うことで患者に負担が少なく,低侵襲に同時根治切除を施行することができた.