著者
山下 匡将 宮本 雅央 村山 くみ 志水 幸
出版者
北海道医療大学看護福祉学部学会
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部学会誌 (ISSN:13498967)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.29-34, 2007-03-31

【目的】主観的健康感と社会とのかかわりとの関連を詳細に検討した.【方法】新潟県粟島浦村および山形県酒田市飛島において実施した調査結果をメタ・アナリシス的に検討した.主観的健康感の回答内容から,対象者を「健康群」「非健康群」の2群に分け,Fisherの直接法を用いて各項目間との関連の有意性を検討した.さらに,有意差が確認された項目から,多変量ロジスティック回帰分析により独立性の高い変量を検出した.【結果】1)主観的健康感の分布に地域差がみられた.2)主観的健康感には,「職業の有無」「病院にかかるような病気の有無」「地域活動への参加機会の有無」「趣味の有無」の項目が関連していた.【結論】主観的健康感には「社会的な活動への参加」「役割の保持」「生きがい活動の実践」が関連していることが明らかとなった.島嶼地域高齢者の主観的健康感の維持および向上には,以上に配慮した介護予防実践の励行が求められる.