- 著者
-
辻 順行
家田 浩男
- 出版者
- 日本大腸肛門病学会
- 雑誌
- 日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.6, pp.391-399, 2017 (Released:2017-05-25)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
-
1
家田病院で2010年10月~2011年8月に手術した肛門狭窄を伴う慢性裂肛(58例)と高野病院で2012年4月~2014年3月に手術した肛門狭窄を伴う慢性裂肛(75例)のSSGの133例,家田病院で2009年10月~2010年9月に肛門狭窄を伴う慢性裂肛にVY-plasty(VY)を行った40例を対象として以下の結果を得た.1)皮膚弁が肛門管内に移動した距離は,SSGでは平均13mm,VYでは22mmで両者間に有意差を認めた.2)術後合併症なしの頻度はSSG対VYで81.2%対55%で有意にSSGに少なかった.3)治癒日数は,SSGでは平均37日,VYでは49日で両者間に有意差を認めた.しかし治癒の頻度はそれぞれ89%,85%で有意差は認めなかった.4)術前後の肛門内圧は肛門最大随意圧では変わりないが,肛門最大静止圧ではSSG・VY共に有意な差をもって低下した.