著者
富永 冬樹 井上 三四郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.685-689, 2015-09-25 (Released:2015-12-03)
参考文献数
3

犬猫咬傷は日常よく遭遇する疾患であるが,診療の注意点は周知されていない.今回,当院の犬猫咬傷について報告する.対象は2013年1月から2014年8月までに当院を受診した46例で,犬が35例,猫が11例であった.それらの症例の受傷部位,受傷から受診までの日数,感染徴候の有無,手術の有無,治療期間を調べた.受傷部位は手部19例,手指13例と上肢に多かった.受傷から受診までは平均0.74日で,犬0.46日,猫1.64日と有意に猫が長かった(p=0.0001).感染徴候は11例に認め,犬2例,猫9例で,有意に猫に多かった(p<0.0001).手術は12例に行われ,犬5例,猫7例で,有意に猫に多く施行され(p=0.0011),治療期間は平均10.3日で,犬4.6日,猫28.5日と,猫が有意に長かった(p=0.0008).受診の頻度は犬咬傷が多いが,感染徴候を認め手術に至る症例は猫咬傷が多く注意が必要である.
著者
松田 匡弘 王寺 享弘 徳永 真巳 松田 秀策 井浦 国生 富永 冬樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.657-662, 2021-09-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

【はじめに】今回,若年者アスリートにおける外側半月板損傷に対する縫合術の成績を報告する.【対象と方法】2012年から2018年4月まで17例であった.男性14例,女性3例で,平均19.2歳(14-35歳)で,経過観察期間は平均21.6か月であった.断裂形式は縦断裂が11例,横あるいは斜断裂が6例であった.再断裂率とスポーツ復帰率,術後臨床成績と画像所見を調査した.【結果】再断裂なしが14例(82%),ありが3例(18%)であった.再断裂なし群は,Tegner scoreは術後平均6.8点,Lysholm scoreは術後平均97.4点であった.再断裂ありの3例は部分切除後にスポーツ復帰した.【考察とまとめ】臨床成績良好であったが再断裂例も認めた.今後も強固な縫合や慎重な後療法の検討が必要と考えた.