著者
時永 祥三 富永 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.724, pp.67-72, 2003-03-10

本報告では,ネットワーク上を伝搬するリスクの拡散モデル分析およびその制御方法を議論し,特にCNN (Cellular Neural Network)を用いる方法を提案する。この場合,遺伝的ブログラミング(GP:Genetic Programming)の手法を用いて,観測されたデータからシステムのダイナミックスを推定し、この推定式を用いて拡散の条件などを予測する。CNNにおけるシステム方程式をGPにより近似するために,初等演算のほかに区分線形などの関数を準備し,これらと変数を含む木構造によりにGPにおける個体を定義する。GP手法により拡散のモテルが微分力程式の形で記述できるので,これを線形近似した連立1階微分方程式から進行波の拡散(停止)条件を導出する手順が応用できる。更に,適切な微小制御人力を推定し加える方法により,短い時間で均衡レベルに拡散を制御することができる。応用例として,実際のリスク拡散データ近似とその制御への応用事例を示す。