著者
山田 博之 小木曾 力 寥 健源
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.473-479, 1986
被引用文献数
3

歯の大きさ,とくに歯冠近遠心径ならびに頬舌径に関する研究はこれまで数多く報告されている.しかし歯の大きさに関する相関係数は歯冠近遠心径と頬舌径が別々に記載されているか,あるいはある特定の歯群について報告されているもので,歯冠近遠心径と頬舌径の相関係数をすべての歯種について表記したものは少ない.<br>今回,日本人と福建系中国人の男性と女性について歯の大きさの基本統計量と相関係数とを将来の比較資料として掲載した.これらの資料は日本人については山田(1977),小木曾(1982),福建系中国人については廖(1984)の上下顎石膏模型による歯冠近遠心径と頬舌径のデータである.なお,第3大臼歯の計測値は含まれていない.ここに掲載した基本統計量と相関係数行列は上記に示した歯の大きさの28計測項目すべてを含んでいる個体を対象に算出したため,すでに報告された結果と多少数値を異にしている.