著者
寺下 太郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)

オーストリアで林業に従事する際には、それぞれの業務に応じていくつかの資格があり、そのための研修・学習のルートも細分化されている。現場で林業作業に従事するための基本的な資格はForstfacharbeiter(林業専門作業者)というものであり、その上にForstwirtschaftsmeister(林業マイスター)という資格がある。研修機関は主にOrt, Ossiach, Pichlの3カ所が担っている。他方、林業経営に関わる場合、その経営規模に応じて取得すべき資格が複数ある。それは、森林法上で一定の規模以上の事業体は有資格者を雇用しなければならないことが明確に規定されているためであり、規模の小さい順にForstwart(1,000ha以上)・Förster(3,600ha以下)・Forstwirt(3,600ha以上)となる。これらの資格は認定機関が異なり、対応する学校そのものが各地に分かれている。すなわち、ForstwartのためにはForstfachschule (Waidhofen)、FörsterのためにはFörsterschule (Bruck)、ForstwirtのためにはUniversität für Bodenkultur (Wien)である。