著者
伊藤 龍 寺井 明子 林 聰 金子 憲司
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.188-196, 1994-03-28
被引用文献数
2 2

ブラッシング圧が歯ブラシ毛を介して,口腔内組織に伝達される応力分布を定量的に明らかにするために,非線形有限要素法を用いて2つのケースの歯ブラシ毛の挙動を動解析し,次の結果を得た。1.歯肉モデル上のブラッシング運動の解析毛先形態が新規な形状である高度テーパード毛とラウンド毛の2種類の歯ブラシについて,毛の強制変位量が1mmとなるように歯肉に押しつけ,水平方向に6mmの振幅の運動を加えた。この時,ラウンド毛歯ブラシでは,歯肉に発生する応力は300〜600g/cm^2であったのに対し,高度テーパード毛歯ブラシでは,130〜200g/cm^2となり,かなり小さかった。2.歯周ポケットモデルへの毛先侵入の解析毛先形態が高度テーパード毛とテーパード毛の2種類について,各々2本の歯ブラシ毛を歯周ポケットに侵入させた。この時,高度テーパード毛は容易に歯周ポケットに侵入するが,テーパード毛では容易に侵入せず,周辺歯肉に対し高度テーパード毛の6〜7倍の高い応力を発生させた。また,高度テーパード毛の滑らかな侵入は,角度を変えてもほぼ同じ結果であった。