著者
寺井 梨恵子 丸岡 直子 林 静子
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.13-22, 2017-03

本研究の目的は,看護師の看護場面における視線について眼球運動測定を行った先行研究の動向を明らかにし,今後の課題を検討することである.Cooper の統合的文献レビューの方法を参考に文献検討を行った.医学中央雑誌,CINAHL,PubMed にて,「看護」,「注視」,「眼球運動」をキーワードとして検索を行った結果,国内文献22 件,海外文献10 件が分析対象となった. 結果,国内では静止画を提示した文献が多く,海外ではシミュレーション教育に用いたものが多かった.測定項目は国内においては「注視時間」を測定しているものが最も多かった.注視の定義は統一されておらず,今後,検討していく必要が示唆された.視覚情報を測定することでの看護師への教育的効果については明らかにされていなかった.視覚情報の取り込みは臨床経験によって違いがあると述べている文献が多かったが,一方で,違いがないものもあった.