- 著者
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横塚 基
寺嶋 克幸
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.5, pp.610-614, 2016-09-15 (Released:2016-11-05)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
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デスフルランは1.5MAC以上へ急激に濃度を上昇させることにより,一過性の交感神経刺激作用を有することが知られている.しかし,1MAC程度の使用であればそれは問題とならず,他の吸入麻酔薬と同様,安全に麻酔管理が可能である.心臓手術中には胸骨正中切開,心膜切開,大動脈操作時など血圧が上昇しやすい時期がある.疼痛刺激などに対する血行動態の変動に,デスフルランの濃度を高くすることで対処することは,避けるべきである.デスフルランの持つ心筋保護作用は,心筋虚血を起こす可能性が高い心臓手術に有用であり,覚醒が速やかでその質も優れている性質はultra fast-track anesthesiaに活用できる可能性がある.