- 著者
-
松山 正彦
寺澤 泰
沢田 恭彦
堀部 和雄
- 出版者
- 日本生物環境工学会
- 雑誌
- 植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.2, pp.89-98, 1996-06-01 (Released:2011-03-02)
- 参考文献数
- 10
植物生産環境システムの具体例として, コンピュータや環境制御機器で管理されてきたきのこ工場をとりあげた.近年のきのこ工場は, 1サイクルあたり約220万本の栽培瓶を用いて, 年間1千トンクラスのブナシメジを生産する企業参入型もみられ, 特に経済性分析が重要である.きのこ工場で必要となる設備・機械の経費と栽培瓶数の関係は, 区間回帰モデルで表すとlnC (Qp) = (0.976, 0.122) + (0.600, 0.042) lnQpとなる.これを図1に示した.供試きのこ工場では年間の栽培瓶数は45万本で, このとき必要な施設・設備・機械の例を表2に準必需品を表3に示したが, 初期投資額は1億1250万円となる.この場合の費用配分は表4に, 電力を使用する主な機械と消費電力量を表5に示した.ここで瓶1本あたりの収穫量にファジィ数 (g) をもちいれぼ (102,160,214) と表わせる.この時の労務費は表4に, おもな従業員の1日あたりの労働時間は表6に示した.1時間あたりに120パック処理され従業員の時間給は700円とすれば, ブナシメジを生産するきのこ工場の必要経費 (万円) は (3862, 4226, 4566) となる.したがって, 100グラムあたりの生産原価 (円) は (40.1, 58.7, 99.5) と表すことができた.