著者
寺田 崇寿 小黒 伸也 鎌田 一雄 関 宣正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.273, pp.1-6, 2007-10-12
被引用文献数
1

全日本ろうあ連盟編纂の「わたしたちの手話」を対象として、コンピュータなどで簡単に検索ができる手話記述方法について、検討を進めている.本稿では、掲載手話(総数4,122語)の中から、構成が単純な手話を除いた複合的な手話(総数1,660語)を対象として、語構成について検討している.まず、先に報告した手話の要素抽出結果を利用して、複合的な手話の構造的特性について分析している.この結果、複合的な手話はほとんどが2つの構成要素(平均要素数は2.13)からなり、その結合の形態はほとんどが逐次的な形態(97.7%)であることがわかる.手話の特徴である同時的な結合は、対象とした辞書(わたしたちの手話)に掲載されている手話の2.3%にすぎない.また、複合的な手話を構成する要素の平均的な使用頻度が2.67と低いことがわかる.次に、複合的な手話の構成の意味的な側面を、手話の見出し語(日本語)について検討した結果も述べている.