著者
多羅間 公雄 寺西 士一郎 服部 研太郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.1665-1669, 1960-11-05 (Released:2011-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
3

酸化クロム(III)への酸素,一酸化炭素,炭酸ガスのガス吸着,ならびに脱離に伴なう伝導度の変化,磁化率の変化の測定を,0°~500℃ の温度域で行ないsそれぞれの吸着,脱離過程について調べた。酸素の吸着活性化熱は高温域(>300℃)低温域(<300℃)でそれぞれ3.1,18.Okcal/molであり,これらは異なった酸素の吸着型式に属することが吸着に伴なう磁化率の変化の測定からも推定された。酸素脱離の初期過程の活性化熱は9.6kcal/molであり,これはまたとれ易い酸素の吸着熱の上限値を与1しるものである。一酸化炭素吸着の活性化熱としては3.8kcal/molの値が得られ,また吸着熱として10.6kcal/molの値を得た。また高周波を用いて酸素吸着に伴なう伝導度の変化の測定を行なったが,320KC以上では伝導度の変化がほとんどないことが見いだされ,このことはガス瞬着により変化を受けるのは主として酸化クロム(III)の表面層のみであることが推定された。