著者
清水 浩 對馬 ゆかり 小松 佳菜子
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.2-7, 2008-03-01
被引用文献数
2 4

ノースポール(<I>Chrysanthemum paludosum</I> 'North Pole')を対象として,3通りの昼夜間温度差(DIF)条件, +10 DIF(明期25°C/暗期15°C), 0 DIF(20°C/20°C), -10 DIF (15°C/25°C)で下胚軸の伸長成長量を画像計測システムを用いて10分毎に6日間連続計測した. その結果, 計測開始2日目(播種10日後)の一日の伸長成長量は+10 DIF で0.5 mm, 0 DIFで0.42 mm,-10 DIFで0.2mmとなり, DIF値が大きいほど一日の伸長成長量が大きくなった.<BR>明期および暗期における伸長成長量は, 明期にDIF値が大きくなると伸長成長量も大きくなる傾向が認められるが, 一方, 暗期ではDIF値による伸長成長量の違いは認められなかった. これらの伸長プロフィールを画像による連続計測データから解析したところ, 伸長成長パターンについては+10 DIFと0 DIFの伸長成長パターンはよく似ており, ぞれぞれ明期開始3時間後, 5時間後に顕著な伸長が認められれるが, -10 DIFでは明期暗期ともに顕著な伸長成長は認められず, 明期開始8時間後(14時頃)に若干の増加傾向が観察された程度であった. また, 顕著な伸長成長の持続時間もDIF値が大きいほど長いことが明らかとなり, 明期の伸長成長量がDIF環境下におけるノースポールの一日の伸長成長量に大きな影響を与えていることが明らかとなった.