- 著者
-
小ヶ口 恭介
並木 健二
鈴木 佑輔
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会
- 雑誌
- 日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.4, pp.499-502, 2009-06-25 (Released:2009-07-15)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
2
症例は54歳女性.37歳より強皮症の診断にてステロイド内服中であった.腹痛のためCTを施行したところ,腹部大動脈瘤と上腸間膜動脈瘤を指摘された.腹部大動脈瘤に一致する腹痛あり,症候性腹部大動脈瘤と診断し手術を行った.腹部大動脈瘤は椎体骨の破壊を伴うcontained ruptureであり,Y型人工血管置換術を施行した.次いで,上腸間膜動脈瘤の動脈瘤切除を行った.病理組織検査では血管壁は線維性結合組織で置換されており,成因はステロイド長期投与によるものと考えられた.