著者
山崎 繁一 庄司 克雄 厨川 常元 岡西 幸緒 小倉 養三 福西 利夫 三宅 雅也
出版者
公益社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.506-510, 2005 (Released:2006-08-11)
参考文献数
4

前報では, チタン合金コアのブレードとチタン合金製フランジとを組合せて, 周速450m/sでの回転試験に成功した. 本報では, 本ブレードをベースにして, 周速350m/sの超高速研削切断に使用可能なブレードを開発したプロセスについて述べる. 最初に, 前報で試作したコンティニュアスタイプのブレードを用いた場合, 5.9MPaの高圧ノズルを使用してクーラントを供給したにもかかわらず, 周速100m/s (工作物・砥石速度比 v/V = 0.0833×10-3) で研削焼けが発生した. そこで, 砥石外周にセレーション (半円状の切り欠き) を設けたところ, 正常な研削切断が可能になった. しかし周速をさらに200m/sに高めると, 再び研削焼けが発生した. そこでさらにセレーション間のランド部側面にフルート (導水溝) を設けて, 切断面へのクーラントの到達を促した. その結果, 周速300m/sでも研削焼けが生じず, 研削抵抗値の安定した加工が可能であった. さらに高周速化するために高強度のボンド剤を採用し, セレーションおよびフルートの数を半減して砥石部の高強度化を図った. その結果, 最終的に周速350m/sで, 研削焼けのない正常な超高速研削切断に成功した. これは, これまで報告されている超高速研削の砥石周速としては, 最高速である.