著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.901-918, 1991 (Released:2012-03-23)
被引用文献数
1

我が国では戦前にもシンクタンク的業務は行われており, 特に満鉄・調査部は南満州鉄道が満州を実効ある植民地支配を確立するための解決策を探る目的で設置され, 多くの実績を残した。戦後のシンクタンクブームは3回あり, いずれも社会, 経済のパラダイム変革期にあたっていることが特徴である。我が国の代表的大型シンクタンクのうち野村総研は合併によりシステム機能強化の先陣を切り, シンクタンク機能をSI業務の上流に位置づけている。三菱総研は正統派シンクタンクを目指し高等研究学院や研究開発用のラボラトリーを設置している。大和総研はシステムを利用した経済予測に力を入れている。富士総研はマクロ経済を中心とした政策提言, 解析技術を重視している。日本総研は地域開発, 先端技術の研究開発を特徴としている。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.769-784, 1990 (Released:2012-03-23)
参考文献数
3

シンクタンクの定義は, 機関として(1)政策志向, 問題提起していること, (2)学際的, 未来志向していること, (3)独立していること, であり, さらに業務内容から(1)政策提言型, (2)研究開発型, (3)経営コンサルティング型の3種類に分類される。歴史的に見れば米国において最初のシンクタンクが誕生し, 3種類のいずれのシンクタンクでも常に世界をリードしてきたが, 他の国は政策提言型シンクタンクが主である。著名なシンクタンクとしては, 米国には, ブルッキングス研究所, ランド研究所, バッテル記念研究所, アーサー・D・リトル社, SRIインターナショナルが, 西ドイツには, IFO経済研究所, ドイツ経済研究所が, フランスには, フランス国際関係研究所があり, イギリスには, 王立国際問題研究所, 国際戦略問題研究所が, 韓国には, 韓国開発研究院, 韓国産業研究院があり, それぞれが政治, 経済, 産業, 技術の各分野で活躍している。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.881-891, 1992-01-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
3

Vol.33 No9,10,11の「シンクタンク」(1),(2),(3),の続編として,総合研究開発機構が実施したアンケート調査を分析·評価するとともに『シンクタンク年報1990』を用いて,我が国のシンクタンクの現状分析を行い,形態:公益法人,職員:68名,研究者:23名,全収入:約7億円,調査収入:約2億円,主たる研究分野:国土開発·利用および産業·経済,報告書数:25冊,自主研究の割合:15%,報告書の公開割合:12%とする平均的な姿を描いた。さらに研究員50人規模のシンクタンクを設立する場合の条件として,財政面では継続した資金調達が,人材面では優秀な人材の確保が重要であることを指摘した。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.983-994, 1992-02-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
1

今後の複雑な国際関係を考えると公的シンクタンクの役割が期待されるとし,特殊法人形態で研究実績を有する「総合研究開発機構」と「アジア経済研究所」をとりあげ事業内容を述べた。前者は行政レベルと政党レベルの要請から設立されたが,政治,経済,社会,国際関係といった広い分野について自主研究,委託研究,助成研究を行うとともに,海外シンクタンクとの国際交流も活発に行い,さらに我が国のシンクタンクを育成している。また後者は,世界の発展途上地域における経済分野の調査研究を行うとともに,海外機関との国際交流や共同研究,情報の収集活動力を注いでいる。また最近人材養成を目的として開発スクールを発足させた。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.881-891, 1992

Vol.33 No9,10,11の「シンクタンク」(1),(2),(3),の続編として,総合研究開発機構が実施したアンケート調査を分析·評価するとともに『シンクタンク年報1990』を用いて,我が国のシンクタンクの現状分析を行い,形態:公益法人,職員:68名,研究者:23名,全収入:約7億円,調査収入:約2億円,主たる研究分野:国土開発·利用および産業·経済,報告書数:25冊,自主研究の割合:15%,報告書の公開割合:12%とする平均的な姿を描いた。さらに研究員50人規模のシンクタンクを設立する場合の条件として,財政面では継続した資金調達が,人材面では優秀な人材の確保が重要であることを指摘した。