著者
大嶋 清宏 村田 将人 神戸 将彦 中島 潤 澤田 悠輔 一色 雄太 市川 優美 福島 一憲 荒巻 裕斗 小和瀬 桂子 田村 遵一
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.215-221, 2020-08-01 (Released:2020-09-03)
参考文献数
29

【目 的】 群馬大学医学部附属病院救急科で入院加療を行ったスキー・スノーボード外傷症例の実情を調査すること.【対象及び方法】 2002年1月~2018年12月までに当院救急科へ入院したスキー・スノーボード外傷を対象とし,損傷部位,来院時重症度や入院後経過を検討した.【結 果】 上記期間に当院救急科へ入院した5,448例中,対象症例は23例(0.42%)で,年齢27歳(中央値),男女比18:5,スキー外傷8例(35%),スノーボード外傷15例(65%)だった.受傷部位については,頭部・頸部7例,顔面2例,胸部8例,腹部・骨盤内臓器14例,四肢・骨盤8例(重複あり)で,腹部・骨盤内臓器損傷が最多だった.外傷重症度の指標であるrevised trauma score,injury severity scoreおよび予測生存率の中央値はそれぞれ7.8408,9,および0.9942であった.来院時ショック状態だったのは1例のみで,4例に手術あるいは経カテーテル的動脈塞栓術等の緊急処置が行われた.入院期間は6.0日(中央値)で,全例が軽快退院あるいは転院した.【結 語】 スキー・スノーボード外傷は受傷機転から重症となる場合もあり,必要に応じ適切な医療機関での加療が求められる.