- 著者
-
小坂 義弘
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.1, pp.169-174, 2010-01-15 (Released:2010-02-19)
- 参考文献数
- 1
硬膜外麻酔を安全・確実に施行する秘訣は, 施行時の注意点をよく守り, 確実に硬膜外腔に針先やカテーテルを挿入して, 局所麻酔薬の適当量を上手に注入することである. その後は, 患者のそばを離れず, しばらくの間, 患者の呼吸・循環の監視を怠らないことである. 懸滴法以外の硬膜外腔確認方法では, 信頼性が低いと思って対応すべきで, 外来でのブロックでは特に注意が必要である. 全身麻酔に併用する場合には, 意識下に硬膜外腔穿刺を行って, カテーテルを挿入し, 2~3mlのテストドーズを投与して, 脊髄くも膜下麻酔になっていないことを確認して導入する. カテーテルを挿入したけれど, テストもしないで全身麻酔を始めた場合には, くも膜下腔にカテーテルが挿入されているかもしれないと思って管理すべきである.