23 0 0 0 OA 第2回 論理構成

著者
小山 哲男
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.449-455, 2020-05-18 (Released:2020-06-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
小山 哲男 道免 和久
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.868-876, 2020-09-18 (Released:2020-10-22)
参考文献数
43

背景:MRI拡散テンソル画像(DTI)は脳内神経線維を評価する新しい画像診断である.われわれは,急性期脳梗塞により失語症を呈した患者を対象にDTI撮像を行い,同年齢層の対照群との比較のもと,失語症の責任病巣を検討した.方法:初発脳梗塞後14~21日目の失語症患者においてDTIを撮像した.撮像データよりfractional anisotropy(FA)画像を作成し,tract-based spatial statistics(TBSS)解析を行った.失語症群と対照群において,脳画像の群間比較を行った.さらに,個々の症例のTBSSデータに左右の弓状束を関心領域(ROI)に設定してFA値を抽出した.FA値の左右比について,失語症群と対照群の群間比較を行った.結果:解析データベースは失語症群10名と対照群21名であった.脳画像の群間比較では,失語症群において左弓状束FA値が統計的有意に低値であること示された.症例ごとにFA値を抽出したROI解析では,失語症群においてFA値の左/右比が統計的有意に低値であることが示された(中央値[範囲]:失語症群0.955[0.739~1.023].対照群1.006[0.982~1.088];Wilcoxon順位和検定p=0.0001).考察:脳梗塞急性期の失語症患者において,左大脳半球の弓状束FA値の低下が示された.急性期患者においては,慢性期で観察される神経的回復が起こっているとは考えにくい.急性期患者を対象とした本研究の知見は,左弓状束が失語症発症に重要な神経束であることを示唆する.
著者
小山 哲男 道免 和久
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.20031, (Released:2020-10-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2

目的:中枢神経系疾患(脳卒中,頭部外傷,神経変性疾患)は,リハビリテーション科の診療対象として患者数が多い.脳卒中,頭部外傷,神経変性疾患はすべて脳疾患の範疇であるが,そのリハビリテーション診療はそれぞれ異なる.今回,計量テキスト分析を用いて年次学術集会の抄録を解析し,これらのリハビリテーション診療の特徴を調査した.対象および方法:第56回日本リハビリテーション医学会学術集会(2019年)の公募演題1,424題を解析対象とした.脳卒中,頭部外傷,神経変性疾患の疾患群別にコーディングを行った.類似度の指標であるJaccard係数に基づき,それぞれの疾患群について関連語抽出を行った.結果:脳卒中群402題について,関連語の上位10個は「麻痺,回復期,入院,発症,病棟,機能,FIM,障害,改善,退院」(係数0.36~0.23)であった.頭部外傷群36題について,関連語の上位10個は「外傷,交通,高次,事故,転落,脳,就労,脳症,血腫,機関」であった(係数0.15~0.08).神経変性疾患群96題について,関連語の上位10個は「認知,MMSE,高齢,介護,在宅,施設,骨折,障害,Yahr,疾患」(係数0.18~0.09)であった.考察:年次学会抄録集を計量テキスト分析により解析することで,それぞれの疾患群のリハビリテーション診療の体系化が可能であった.