著者
石井 瞬 辻田 みはる 川村 征大 森岡 銀平 小森 峻 小山 将史 大鑄 俊博 宮田 倫明 神津 玲 中野 治郎
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22008, (Released:2023-10-03)
参考文献数
42

【目的】本研究の目的は,がん罹患歴のある高齢女性患者のオステオサルコペニアの実態を把握し,オステオサルコペニアとフレイルとの関連性を調べることである.【方法】対象は整形外科通院中の65歳以上の女性高齢患者287名とした.対象をがん罹患歴の有無で罹患群,非罹患群に分け,骨粗鬆症,サルコペニア,オステオサルコペニアの有症率を比較した.さらに,それぞれの群の対象者を,非該当群,骨粗鬆症群,サルコペニア群,オステオサルコペニア群の4群に分け,フレイルの有症率および,その下位項目に該当する割合を比較した.【結果】がん罹患歴のない患者と比較して,がん罹患歴のある患者のサルコペニアおよびオステオサルコペニアの有症率は高値であった.さらに,がん罹患歴のある患者のうち,オステオサルコペニア群はフレイルの有症率が高値であった.がん罹患歴のない患者では,オステオサルコペニアの有無によってフレイルの有症率に差は認められなかった.【結論】がん罹患歴のある高齢女性患者のオステオサルコペニアとフレイルに対する評価・治療の必要性が示唆された.
著者
石井 瞬 辻田 みはる 川村 征大 森岡 銀平 小森 峻 小山 将史 宮田 倫明 神津 玲 中野 治郎
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22006, (Released:2023-08-01)
参考文献数
21

【目的】整形外科外来通院中の高齢者を対象に,新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)流行前後におけるフレイル有症率およびフレイルに関連する問題点の有無の変化について,年代別に明らかにすること.【方法】当院で外来リハビリテーションが処方された65歳以上の患者966名を対象とした.前期高齢者および後期高齢者に対して,基本チェックリストのフレイル,複数の項目の支障,運動器,低栄養状態,口腔機能,閉じこもり,認知機能,抑うつ気分の該当の有無をそれぞれ目的変数として二項ロジスティック解析を行った.【結果】前期高齢者においてCOVID-19流行は,基本チェックリストのフレイルおよび抑うつ気分の該当と有意に関連していたが,後期高齢者では関連が認められなかった.【結論】COVID-19流行中は,整形外科外来において,特に前期高齢者のフレイルの合併が増加しやすいことを考慮した上で,評価や治療を検討する必要があると考える.