著者
小山 理子 溝上 慎一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.375-383, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
22
被引用文献数
8

本研究の目的は,大学生の一般的な「講義への取り組み方」を測定する尺度を開発し,信頼性と妥当性の検討を行い,「講義への取り組み方」が「アクティブラーニング外化」を媒介し,学習成果に与える影響について検討することであった.大学生1,854名を対象とした質問紙調査を行い,分析を行った結果,講義への取り組み方は,アクティブラーニングへの取り組み方を媒介し,学習成果のうち「資質・能力」と「深い学習」にポジティブな影響を与えることが明らかになった.本研究の結果は,講義への取り組み方が学習成果に及ぼす影響を改めて確認するものであり,資質・能力の獲得や学習の深化のためには,講義の質を見直すことが必要であることが示唆された.