著者
小島 伸俊
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.264-269, 2002-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
28
被引用文献数
1 4

色再現評価用標準物体色分光データベース (SOCS) を用いて, アジア人の素肌色の分光反射率の特徴解析を行った. 素肌の分光反射率は3つの主成分で表現できること, 化粧用ファンデーションの主成分とは異なることを確認した. また, 分光反射率の違いが, 顔色の見えと印象に大きな影響を及ぼすことを実験的に示した. 分光情報は, 色素沈着部位の強調画像化, 色素沈着の深さ分布の推定, 肌の構成色素の分離に対しても非常に有効であった.
著者
牧野 貴雄 中口 俊哉 津村 徳道 高瀬 紘一 岡口 紗綾 小島 伸俊 三宅 洋一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.53-64, 2007 (Released:2008-07-30)
参考文献数
13

本論文では,ビデオチャット等のアプリケーションにおける新たなコミュニケーションツールとして,使用者の感情を誇張して表示する顔色変化シミュレーションシステムの提案を行う.まず2 台のCCD カメラで撮影した動画像から自動的に使用者の顔領域と表情を認識する.認識した表情に合わせて顔の肌色をリアルタイムに変化させて表示することによって,感情を誇張することが可能である.本システムでは肌色変化処理として,独立成分分析に基づく色素成分解析法を用いている.肌の物理特性に基づいた処理であるため,日焼けや紅潮など現実に近い肌色変化が可能である.肌色変化処理においてはGraphics Processing Unit(GPU)を,表情認識においては色情報による高速な追跡・認識手法を用いることで,動画像に対してもリアルタイムに処理を実行することができる.結果画像に対する評価実験を行い,本システムが単純な画素値変化と比較して感情強調に有効であることが確かめられた.