著者
石川 健 小嶋 良朗 阿部 喜 宮武 秀樹 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.406, pp.1-4, 2006-11-28
被引用文献数
4

ITS (Intelligent Transport System:高度道路交通システム)の研究分野の1つに,事故を未然に防ぐことを目的としたドライバの行動予測がある.従来この研究では,速度・ペダル踏み量といった車両データ等を基にモデリング・解析が行われていた.しかし,人の行動は心理状態に大きく影響を受けることが知られており,運転時にもその影響が出ることが考えられる.そこで,本研究ではドライバの生体信号より「急ぎ」と「通常」の2状態の推定を行い,状態ごとに適用する運転行動モデルを切り替える手法を提案した.モデリングはDynamic Bayesian Networkを基に行い,ドライバの停止行動の予測を試みた.ドライビングシミュレータを用いた実験では,運転中のドライバの心電図解析から急ぎ心理状態と通常心理状態を推定した.その後各々の状態に合わせた運転行動モデルを適用して予測を行った.その結果,状態を考慮しない場合と比較して,早期に停止時刻を予測できることを示した。