著者
小川 周吾 長谷部 賀洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.180, pp.49-54, 2008-07-29

近年ディスクへのアクセス時間が,計算機システム全体の処理時間に占める割合が増加している.またストレージ統合の増加に伴いディスクアレイに対して複数のアクセスが同時に行われる機会が増加し,高いI/O性能が求められる.この問題に対して複数ディスクをRAID構成にすることで,ディスクの耐故障性確保と同時にアクセスを高速化する手法が用いられている.しかしRAIDは,ランダムアクセスに伴うシーク時間の抑制を考慮していない.本稿ではRAID構成のディスクアレイにおいて,ディスク間の冗長性を利用したシーク時間の削減方式を提案する.RAID1構成のストレージ装置のシミュレーションによる評価の結果,提案方式の適用により連続したランダムReadアクセス列による高負荷環境下で,アクセス処理の平均TAT (Turn Around Time)の削減を確認した.