著者
小川 恒男
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本を訪れた中国人が明治の東京を描いた作品群を研究対象とし、その集成を目的とした。具体的な研究成果として「郁曼陀『東京雑事詩』訳注」が挙げられる。郁曼陀は当時の市井の人々の目線で東京を描いており、取り分け女性の姿を好んで描写していた。彼は幕末から明治にかけて流行した日本漢詩を模倣しており、ある意味において、郁曼陀「東京雑事詩」は中国人でありながら日本漢詩を作るという試みであったという結論を得た。