著者
藤井 陽生 播广谷 勝三 小早川 和 松本 嘉寛 川口 謙一 林田 光正 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.58-61, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
10

思春期特発性側弯症患者の発見理由を調査した.【対象と方法】2008年から2015年に当院を受診した259例(女性236例,男性23例,平均13.7歳)の発見理由,主カーブCobb角,初期治療を調査した.【結果】発見理由は学校検診(S群)115例(44.4%),家族・本人(F群)79例(30.5%),病院・医院(H群)65例(25.1%)であった.発見時年齢は各々平均12.9歳,13.1歳,13.7歳であり,S群は,H群よりも年齢が低かった.3群間の性差に有意差はなかった.主カーブは各々平均36.8°,40.4°,36.0°で,有意差はなかったが,40°以上の患者の割合はF群に比べてS群,H群で低い傾向にあった.3群間で初期治療に相関はなかったが,S群およびH群は,F群よりも手術率が低い傾向にあった.【考察】学校検診のあり方や早期発見方法について検討の余地があると考えられた.