著者
豊松 展史 小村 緩岳 高木 敬雄
出版者
広島修道大学
雑誌
広島修大論集. 人文編 (ISSN:03875873)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.295-336, 1998-03-30

本研究の目的は,大学生を対象に(男,72名,女,92名),知覚されたサポートによって調査されたネットワーク構造と精神健康との関係を検討し,ネットワーク構造の性格類型別特徴を見いだすことであった。サポートの測定にソーシャルコンパニオンシップも含めたことにより,GHQの下位4尺度である社会的活動障害とサポート得点との間にポジティブな相関関係があった。男子では,同性親友,異性親友・恋人,異性友達からのサポートとの間にポジティブな相関関係が,女子では,母親,年下兄弟,異性親友・恋人からのサポートとの問にポジティブな相関関係が見られた。これらは,先行研究の知見と対応する結果であった。さらに,性格類型別特徴について検討したところ,全体とは異なる結果がいくつか見られた。男子B型,D型,女子B型の精神健康の低い群は,異性親友・恋人との相互作用が多かった。男子B型の精神健康が高い群は,家族との相互作用が多かった。女子A型,B型の精神健康の高い群は,家族との相互作用が多いという特徴は見られなかった。