著者
小板 清文
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.21-33, 2019

<p>本稿は,公的な犯罪統計を用いながら,非行少年のうち,受刑者にまで至っている者の比率を調べることで,少年非行と成人犯罪との連続性について調べた。また,年齢犯罪曲線(age-crime curve)に関する国内外の研究をまとめた上で,最新の犯罪発達理論(developmental and life-course criminology),生物社会学的犯罪学(biosocial criminology)の研究動向,脳科学の知見についても把握した。年齢犯罪曲線に関する研究は,ヒトの発達や社会的な成熟とも深く関連している興味深い研究分野であり,社会的な逸脱行動の理解やそれへの対応を考える上で,総合的・学際的な分析・検討の視点を必要とする,重要な研究分野と考えられる。</p>