著者
小林 亜令 高木 悟 井ノ上 直己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.627, pp.245-250, 2002-01-23
参考文献数
16

本文では, ラスター画像データからSVG(Scalable Vector Graphics)データへの変換手法を提案する.SVGとは2001年9月にW3Cで策定完了した2次元ベクトルグラフィクスのWWW標準データ仕様である.ラスターイメージデータはCG, 自然画像を問わず, 高圧縮可能な方式が数多く提され, PNG, JPEG, MPEGなどWWW標準データ仕様も既に策定されている.しかし解像度依存性, 拡張性, 対話性の点など, ベクトルグラフィクスの方が優れている点もあり, ベクトルグラフィクスに対するニーズも大きい.そこで本文では, ラスター動画像データを対象として, それをSVGデータに変換する手法を提案する.本手法により, CGベースのラスター動画像をベクトルグラフィクスとして処理可能なため, 本来SVGが持つメリットを利用することが可能となる.本文では, SVGの概要, 評価実験結果にも合わせて言及し, SVGへの変換技術の有効性, 今後の方向性を考察している.