著者
笹谷 拓也 川原 圭博
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2019-UBI-62, no.8, pp.1-8, 2019-05-30

広い空間全域における無線での電力のやり取りが可能になると,IoT 技術は電源の制約から解放され,半永久的に電池が切れないセンサネットワークや,部屋にいるだけで勝手に充電されるウェアラブル / モバイル / インプラント機器などが実現すると考えられる.一方,従来の無線電力伝送は充電パッドなどの二次元状の給電領域を構成するものが主であり,ユーザが意識的に領域内に機器を置くことを前提とする.これに対し,準静空洞共振器 (QSCR : Quasistatic Cavity Resonator) という構造は空間内に三次元状に分布する磁界を生成できることからユビキタスな無線電力伝送への応用が期待されている.しかし従来の QSCR は部屋の中央に導体棒を要することや,部屋の中央から離れるにつれて給電効率が著しく低下するといった課題が存在する.これらの課題を解決するために,我々は複数のモードを持つのマルチモード準静空洞共振器 (Multimode QSCR) 構造を提案し,導体棒無しでの運用や,部屋内のあらゆる位置における高効率な給電が可能であることをシミュレーションにより示した.本稿では部屋スケール (3 m×3 m×2 m) のMultimode QSCR を実装した後,部屋全域において小型の受電器に対し高効率で給電できることを実測により示し,IoT システムへの応用について議論した.
著者
宮武 茉子 鳴海 紘也 関谷 勇司 川原 圭博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.752-760, 2022-03-15

フラワーゼリーとは,花の形をしたゼリーが透明なゼリーの中に浮かんでいる芸術的なスイーツであり,食べるのがもったいないと思わせるほどの美しさで見る者を惹きつける.本稿ではこの繊細なスイーツの複雑な制作過程を単純化し既存のデザインスペースを拡張することを目的として,スリットインジェクションプリンティングという造形手法と,設計ソフトウェアを実装し評価を行った.この設計ソフトウェアを用いることで,ユーザはプレビュー画面を見て試行錯誤しながら形状をデザインすることができる.またフラワーゼリーの造形に関しては,柔らかく崩れやすいゼリーのプリントを実現するため,カラーゼリーをベースゼリーに直接注入するスリットインジェクションプリンティング技術を導入したフード3Dプリンタを開発し,様々な形状のゼリーを造形できることを示した.さらに,初心者と経験者に対してユーザスタディを実施して提案手法の効果を評価し,初心者でも簡単にフラワーゼリーを作製できるようになり,経験者はデザインを試行錯誤しながら制作可能であることを示した.
著者
平木 剛史 川原 圭博 苗村 健
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.148-157, 2020 (Released:2020-06-30)
参考文献数
57

Collaborative control system between digital images and multiple robots has attracted increasing attention in the robot environment for displaying information to users. We surveyed the projection-based robot control method for enabling this control system and its applications in the fields of mixed reality and user interfaces. In this paper, we described the requirements of the robot environment for displaying information to users, the related studies of the projection-based robot control system as user interfaces, and the robot control methods using velocity vector fields that was applied in the projection-based robot control. In addition, we described the characteristics and applications of the projection-based robot control system using pixel-level visible light communication.
著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115(2003-UBI-002), pp.73-78, 2003-11-18

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.
著者
川西 直 カミル アブドルハミド アマド 宮森 良昌 楠田 厚史 川原 圭博 大橋 正良 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.79, pp.55-59, 2010-06-10

本稿で我々は,クラウドコンピューティングやソフトウェア無線技術といった各種仮想化技術をフル活用し,ニーズに応じて柔軟にネットワークの構築が可能な,オープンな移動通信システムの構想について述べる.我々の提案するオープンな移動通信システムでは,移動通信システムを構成するトランスポート・ストラタムやサービス・ストラタムなど全てのストラタムにわたった仮想化を想定し,事業者の需要にあわせて仮想化されたストラタムのイメージをインスタンス化することによって,柔軟なネットワークの構築を実現しようとしている.
著者
野間 裕太 川原 圭博
雑誌
研究報告コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2022-CG-185, no.8, pp.1-8, 2022-03-04

幾何形状処理において,3 次元メッシュ上にスカラー関数を定義する「パラメータ化」と呼ばれる手法は近年盛んに研究されている.特に,入力されたベクトル場に対し,勾配ベクトルがなるべくベクトル場と等しくなるようなスカラー関数を定義する手法は「沿ベクトル場パラメータ化 (Field-Aligned Parameterization)」と呼ばれ,テクスチャマッピングや多角形メッシュの生成といった多様な応用が存在する.既存手法では,スカラー関数の等高線が分岐する「特異点」が大量に出現することを許すことで,パラメータ化の高速な計算を実現してきた.しかし,特異点は最終形状の美観や使われ方に関わる重要な要素である一方で,既存手法では特異点の発生を制御することはできず,また特異点に対するインタラクティブな操作を十分に高速に行うことができなかった.そこで本稿では,与えた点のみが特異点となりそれ以外は特異点とならないように指定して,沿ベクトル場パラメータ化を高速に計算できる手法を提案する.
著者
林 寛将 笹谷 拓也 成末 義哲 川原 圭博
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.315-316, 2019-02-28

電池やモータを搭載したパーソナルモビリティは優れた走行性やその手軽さから流行の兆しを見せ,公道での走行が許可された地域ではシェアリングサービスが台頭している.しかしこれらは充電の煩わしさや電池容量の小ささなどの問題を抱えており,走行中の充電を可能にする無線電力伝送技術はこれらの問題の解決する糸口として期待されている.大電力を伝送できることで知られる磁界共振結合方式の無線電力伝送はシステム設計の際に設置方法や設置コスト,運用コスト,電波法などの制約を考慮する必要があるが,パーソナルモビリティへの給電に関してはこれらの指標が無いのが現状である.そこで本稿では電動キックボードへの給電を例とし,既存の道路に後から設置する無線電力伝送システムについて,送電器コイルの大きさの違いによって生じる,コストや効率などの間のトレードオフに関する検討を行った.
著者
鈴木 凌斗 村上 弘晃 西山 勇毅 川原 圭博 瀬崎 薫
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングと新社会システム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2021-MBL-100, no.22, pp.1-6, 2021-08-26

屋内での滞在情報を正確に把握することで,混雑度の推定や集客情報,人流の把握など,様々なサービスを提供できる.Bluetooth ビーコンや WiFi の信号強度を用いた滞在場所推定手法では,低コストに滞在推定システムを導入できる.しかしながら,受信信号強度の不安定さや隣接した部屋から漏れる信号などが原因となり,単純な信号強度のみを用いた判定では,受信環境によっては滞在場所の誤判定が頻繁に発生する.本稿では,部屋ごとの滞在時間特性の違いを考慮に入れることにより誤判定を抑制する手法を提案する.提案手法では,部屋ごとの滞在時間の分布をワイブル分布にフィッティングし,生存時間解析を適用することによりユーザの状態を推定する.信号強度の強弱のみに基づく既存手法との比較のため,正解ラベル付きのデータを収集し評価実験を行った.
著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.73-78, 2003-11-18
被引用文献数
2

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.Ubiquitous computing environment will converge real and virtual worlds and serve as a platform for real-world oriented, entertainment applications that use various sensor data.With this vision, we propose a new monster-collection game called "Ubiquitous Monster" where many autonomous entities called monsters live in networked computer-nodes, autonomously migrate among nodes, and interact with other monsters. Mobile users collect monsters that appear at each environment as they travel among these environments. Different monsters may appear in different environments depending on local sensor data. We have been developing Ubiquitous Monster using an adaptive networking service platform called Ja-Net where monsters are implemented as Ja Net's autonomous service components called "cyber-entities". In this paper, we describe a mechanism to achieve autonomous and distributed behavior control of monsters based on real-world sensor data.
著者
邑橋 一輝 川原 圭博 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.36, pp.71-76, 2013-05-09

GNU Radioに代表されるソフトウェア無線により,無線の物理層の研究をハードウェア開発から解き放ち,ソフトウェアベースでアイデアを具現化できるようになった.本稿は,電磁波を対象にすることが多かったソフトウェア無線を水中音響通信に応用する際の構築方法について紹介する.水中音響通信に関する資料は少なく,水中音響トランスデューサ等高価であること,これまで専用のハードウェアで研究することが一般的であったことから,日本では,この分野の研究に対するハードルは高かった.本稿は消費者向けに販売されている水中マイクを送受信器両方に使用し,廉価かつ簡易な水中音響通信テストベットの構築法を示す.水中音響通信の中心周波数は数10kHzとマイクロ波に比べて千分の1から10万分1程度と低いため,ソフトウェアベースで複雑な信号処理を行うことができる.
著者
河口 信夫 西尾 信彦 角 康之 藤波 香織 寺田 努 井上 創造 川原 圭博 酒造 正樹 大村 廉 羽田 久一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

大規模データベースの構築を実現するための検討を進め,データ収集のための技術チャレンジであるHASC Challengeを継続的に開催した.また,年齢・性別でバランスさせた被験者を含む行動データ及び構造物内移動データ(HASC-IPSC)を公開した.その結果,当初の目標であった500名を超える被験者のコーパス構築が実現できた.センサ信号処理研究を支えるツールとして,行動信号処理ツール HASC Tool, HASC Logger の開発を行った.国際ワークショップHASCA2013をUbicomp2013の併設ワークショップとして開催した.
著者
川原 圭博 瀬崎 薫 浅見 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.91, pp.41-46, 2008-09-18

ネットワークサービスを継続的に提供するためには,サービスを提供するコンピュータおよびネットワーク機器をモニタし,必要に応じて制御を行うネットワーク管理機構が必要不可欠である.ところが現在では,一つのネットワークサービスの構成要素が複数の事業者によって構成されることも稀ではなく,運用情報の交換自体が難しくなっている.一般ユーザにとっては, 「なぜかサービスが使えない」 ことしかわからず,誰に解決を求めれば良いかもわからないといった状況が発生する.本稿では, Web サービス連携技術である REST アーキテクチャスタイルに基づいた管理 API について示す.これにより HTTP を介したリソース指向の管理情報の交換と制御が可能になり,ドメインをまたがったサービスの構成要素の管理情報にプログラムからアクセスしやすくなると期待できる.Network management mechanism is one of the most essential elements for service providers to maintain the network services consistently. However, a single networked service sometimes consists of different service providers. As a result, it is difficult to share management information across the service providers and network domains. If a service fails in such a situation, the user of the service will not know why the service is unavailable now; He can't even detect the right person to ask for fixing it. In this paper, we introduce a management API based on REST architectural styles. This resource oriented management API allows software programs to access to management information across the domains over the Internet.
著者
倉沢 央 川原 圭博 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.54, pp.15-22, 2006-05-23
被引用文献数
25

我々は 近い将来携帯電話に搭載可能な小型センサを用いてユーザのおかれているコンテキストを推定し,このコンテキストに応じて,ユーザに適切な情報配信を行うコンテキスト情報基盤の構築を目指しているンテキストアウェアサーピスを現実のものとするには,常に変化し続けるユーザの状況をいかに推定するかが重要な技術課題となる.本稿では,単一の加速度センサを搭載した携帯電話を-つ身に着けるだけでユーザの姿勢,動作の推定を可能にする手法を示す.本手法はリアルタイムの信号情報からセンサがどこに取り付けられているかを自ら判別し,その情報をもとに推定アルゴリズムを動的に切り替えることで推定精度を向上している.We are focusing on theb development of a context-aware information platform which allows users to receive personalizedi information based on their context inferrd by tiny sensors attached to their cellular phone.A dynamic user context infrence method is one of the impotant technologies for realizing th context aware servivces.In this paper,we how a new context inference scheme which realizes a user posture inference with only one sensor embedded in a cell phone.to improve inference acctuacy,the system automatically detects the sensor position on the user's body and selects the most relevant inference method dynamically.
著者
王 亮 川原 圭博 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.103-108, 2009-02-24
被引用文献数
1

YoutubeのようなCGM型動画共有システムは現在のインターネット上でのキラーコンテンツの一つである.しかし,動画共有システムは桁違いに大きなトラフィックを発生させるため,サービスをスケールさせるためにP2P技術の導入が期待されている.しかし,P2P技術を用いると著作権管理機能が大きな課題となる.本研究は利用者発信型P2P動画共有システムの著作権管理を以下の条件で実現することを目的としている.(1)ユーザ認証は本人特定が困難な緩いレベルで行う.(2)一般利用者からのコンテンツのアップロードを認める.著作権違反コンテンツを削除したい場合,悪意があるノードによってキャッシュが不正所持され,コンテンツの流通を停止できない可能性もある.これを防止するために,コンテンツを暗号化し,閲覧時に暗号鍵の取得を義務付ける.しかし,暗号鍵を格納したノードも不正である可能性も考え,不正ノードによる暗号鍵の削除拒否も発生する可能性がある.そこで本論文では,暗号鍵を秘密分散法で分散鍵に分割し,分散鍵を複数のノードに格納することで,コンテンツ削除後の暗号鍵の不正利用を高い確率で防ぐ.解析的にもシミュレーション上でも,10%の不正ノード存在環境に対しても分散鍵の数を100,復号に必要な鍵の閾値を21個とすれば,不正利用率を0.1%以下に抑えることができることを示す.
著者
遠藤大礎 川原 圭博 浅見 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.110, pp.15-22, 2008-11-06

携帯電話の高機能化,ストレージの大容量化が進むにつれて,携帯電話にはより多くの情報が蓄積されるようになっている.携帯電話は紛失されやすいため,内部情報の保護は大きな課題である.そこで我々は一般に処理能力が貧弱な携帯電話における高速暗号化・復号手法として,自己暗号化法を用いた分散ストレージシステムを提案してきた.この手法は近年高速化しつつある無線通信を考慮し,通信総量が大きいが処理が単純な高速暗号を使うところに特徴がある.本稿では暗号化・復号を自動的に行うセキュアファイルシステムを FUSE(Filesystem in Userspace)を用いて Linux 端末に実装した.また携帯端末で行った暗号化・復号処理実験の計測結果について示す.また WILLCOM の端末開発プラットフォーム "Sandgate WP"において行った暗号化・復号処理実験の計測結果について示す.People have had more opportunities to preserve important information properties in mobile handsets. The security for mobile handsets will become essential in cases of the loss and the theft. We have proposed an architecture for the distributed storage system, which gives the high speed encryption to mobile handsets, by light-weight processing called self-encryption, in the high-speed wireless communication environment today and in the near future. In this paper, we implement the secure file system that automatically processes encryption and decryption working on Linux PC with FUSE (Filesystem in Userspace), and show the measurement result of the processing time at encryption and decryption by the terminal development platform "Sandgate WP" of WILLCOM.