著者
八木 太門 小林 寛明 今瀬 玲菜 三島 有華 尾形 朋之 山下 高明 土屋 公威 稲瀬 直彦
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.190-194, 2016-05-25 (Released:2016-06-07)
参考文献数
14

背景.フッ素樹脂は日用品に汎用されるが,過燃焼によりヒュームを生じ,時に肺障害をきたし得る.症例.55歳女性.鍋に火をかけて寝てしまい,2時間後に呼吸困難を自覚し当院へ搬送となった.発熱と低酸素血症があり,胸部CTにて中枢側優位のすりガラス陰影を認めた.気管支鏡検査では気管支肺胞洗浄液にて好中球増多があり,経気管支肺生検では軽度の胞隔炎の所見であった.フッ素樹脂加工鍋の使用歴から,ポリマーヒューム吸入による肺障害と診断した.症状や画像所見は速やかに消失し,第7病日に退院となった.結論.ポリマーヒューム熱は日常生活の中で起こり得る疾患として注意が必要であるため,報告する.