著者
八木 太門 小林 寛明 今瀬 玲菜 三島 有華 尾形 朋之 山下 高明 土屋 公威 稲瀬 直彦
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.190-194, 2016-05-25 (Released:2016-06-07)
参考文献数
14

背景.フッ素樹脂は日用品に汎用されるが,過燃焼によりヒュームを生じ,時に肺障害をきたし得る.症例.55歳女性.鍋に火をかけて寝てしまい,2時間後に呼吸困難を自覚し当院へ搬送となった.発熱と低酸素血症があり,胸部CTにて中枢側優位のすりガラス陰影を認めた.気管支鏡検査では気管支肺胞洗浄液にて好中球増多があり,経気管支肺生検では軽度の胞隔炎の所見であった.フッ素樹脂加工鍋の使用歴から,ポリマーヒューム吸入による肺障害と診断した.症状や画像所見は速やかに消失し,第7病日に退院となった.結論.ポリマーヒューム熱は日常生活の中で起こり得る疾患として注意が必要であるため,報告する.
著者
山名 高志 西山 直樹 足立 雄太 川上 直樹 齋藤 弘明 山下 高明 若井 陽子 齊藤 和人 篠原 陽子
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.144-149, 2018-03-25 (Released:2018-03-29)
参考文献数
10

背景.特発性CD4陽性Tリンパ球減少症はHIV感染などの基礎疾患や免疫抑制剤の投与などの原因がなく,後天性にCD4陽性Tリンパ球が減少する稀な疾患であり,日和見感染を高率に合併する.症例.生来健康な68歳女性,亜急性の呼吸困難と胸部CTにてびまん性のすりガラス影を認め入院した.経気管支肺生検で肺胞内に多量のニューモシスチスの囊子を認め,末梢血CD4陽性Tリンパ球は著明に減少していた.HIV抗体は陰性で他の原因となる基礎疾患や薬剤投与歴はなく,特発性CD4陽性Tリンパ球減少症に合併したニューモシスチス肺炎と診断した.本症例の臨床像はHIV感染時と類似していたが,気管支肺胞洗浄液の細胞数の低下などHIV感染症時とは異なる所見も認めた.結語.合併したニューモシスチス肺炎を気管支鏡で診断した特発性CD4陽性Tリンパ球減少症の1例を経験した.
著者
山下 高明
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

眼球形状は顔形と同じように個人差があり、身長と同様に成長期に大きくなる。大きな眼球は近視になり、小さな眼球は遠視となる。今回の研究では、栄養状態の良い児ほど、眼球が大きくなることが判明した。このことから、日本における近視増加の一因が、栄養状態の改善により身長とともに眼球も大きくなったことであることが裏付けられた。さらに眼球の形状にはパターンがいくつか存在し、緑内障、黄斑円孔などの眼疾患の発症・診断に影響することがわかっているが、小学生の時点ですでに眼球形状のパターンは決定していることも判明した。