著者
早川 健 小林 裕直
出版者
山梨大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = Journal of Applied Educational Research (ISSN:18816169)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.289-304, 2022-03

評価は指導を修正し改善するためのものであるととらえ,指導計画を修正・改善するための具体的な方法を明らかにすることが本研究の目的である。先行研究をもとに,指導から評価へそして評価から再指導へと進める授業改善へ向けた教師の活動として,「①停滞箇所を特定する」「②その原因を探る」「③再指導の方針を探る」「④再指導を実践する」ことに着目した。そして,子どもの実態を教師が解釈・判断する活動が指導計画を修正する際に重要であることが明らかとなった。これらをもとに算数科の実践授業を実施した。2位数×1位数の筆算形式を導く算数授業で,被乗数を分けて考えるアイデアが生まれるがその分け方を巡って想定外の方向へ授業が進み軌道修正をすることとなる。このときの修正指導の分析をとおして,指導の結果としての評価に基づいた再指導の具体的な方法を明らかにし,授業改善への示唆を得た。