- 著者
-
小林 雅治
- 出版者
- 一般社団法人 日本原子力学会
- 雑誌
- 日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.9, pp.650-655, 2019 (Released:2020-04-02)
昨年,中国で三門原子力発電所1,2号機と海陽1,2号機,さらに台山1号機が相次いで発電開始し,中国は原子力発電規模で日本を抜き,世界3位に躍り出た。これらの原子炉は米国ウエスチングハウス(WH)製AP1000と仏フラマトム製EPRで,他国に先駆けての発電開始となった。いずれも所謂「第3世代炉」と呼ばれるもので,同炉の本格化時代に入ったとも言える。近年の原子力発電所の建設・輸出では,ロシアと中国の台頭が著しい。一昔前に原子力開発を先導してきた米英加は最近,2020年代半ば以降の商用展開を目指して,小型モジュール炉(SMR)の開発を熱心に進めている。本稿では,これらの動きを概括的に紹介する。