著者
小柳 愛 渋谷 健司
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

当研究は、Hard to reach populationであるMen who have sex with men(以下MSM)の、出来る限り代表性のあるサンプルを抽出し、HIV有病率とHIV感染に関連するリスク要因を抽出することを目的としている。平成23年度は、Feasibility調査を実施した。サンプル方法として、Venue Day Time Samplingを採用するが、そのための前調査・準備として、(1)対象地域で性的少数者の自助活動グループやMSMのHIV予防啓発活動グループ、他キーパーソンへ研究の説明をし、理解を求める事、(2)MSMの協力者を得て研究計画への助言・実行に参加してもらう事、(3)アンケート内容の吟味、(4)venueのマッピングなどを行った。当研究の必要性を理解するキーパーソンも複数現れ、二人の作業協力者を得ることができた。この協力者によって、アンケート内容の吟味と、venueのマッピングも行われた。沖縄県内に、約40軒のMSM対象の商業施設があり、大部分が那覇市に集中していることが明らかになった。これらは、今後、より多くのMSMの協力者によって吟味・検討される必要がある。本調査は、Venueの経営者に再度アプローチし、丁寧に説明を尽くすことにより実現可能であると思われる。調査は、東京大学医学部の倫理委員会の承認を得た。Palm top computerを用いるアンケート調査については検討の結果、i-Padを用いる事とし、唾液によるHIV抗体検査のためのOraQuickを輸入した。