著者
小柳 隆人 Kotaro YAMAMOTO 鈴木 健太郎 君塚 涼
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Q2GS901, 2020 (Released:2020-06-19)

Open-Domain Question-Answeringは機械読解と情報検索の複合タスクであり,通常のQuestion Answeringのタスクと異なり,質問の解答を含む文献データがないため,文献候補を発見する必要がある.本論文ではこのタスクの解決のために,1. 機械読解学習データに基づくクエリの拡張,2. 機械読解の出力活性化関数のsigmoid化,3. 機械読解スコアのマージとランキングの3つのアプローチを提案する.評価実験では文献データを取り除いた日本語の質問応答データセットを用い,従来の手法を適用した場合に比べ,提案手法の回答精度が向上したことで提案手法の有効性を示す.
著者
角田 啓介 小柳 隆人 坂井 俊之 宮下 直也 箕浦 大祐
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.1413-1425, 2019-08-15

本稿では,企業や公共機関に代表される階層型組織における業務効率化を目的とし,複数チャットボットを連携させた報告業務支援システムを提案する.多くの場合,組織は階層構造をなし,報告業務は多数の担当者から彼らを束ねる少数の管理者へとなされる.この場合,以下2点の課題がある.(1)担当者は漏れ抜けなく迅速に報告業務を実施することが困難な点(2)管理者は多くの担当者からの報告を迅速かつ的確にとりまとめ,状況の把握したうえで意思決定を行い,担当者へ指示することが困難な点.本稿では上記課題を解決するため,複数チャットボットを連携させた報告業務支援システムを提案する.提案するシステムでは,担当者は報告ボットと呼ばれるチャットボットとの対話を通じて場所を問わず必要な情報を漏れ抜けなく入力でき,迅速かつ正確な報告を実施できるようになる.また管理者は複数の報告ボットより報告された内容をまとめる管理ボットにより,自動的に報告結果のまとめや進捗状況の管理ができるようになり,迅速かつ正確な現状把握と意思決定が可能になる.そして提案システムではこれらのチャットボットが連携することで,担当者・管理者双方の業務効率化が実現される.最後に,提案システムを6,000名規模の大企業での災害対策訓練における安否確認報告に適用した結果,提案システムを用いない場合と比較して迅速に安否情報を集計できたことを確認でき,提案手法の有効性を確認した.