- 著者
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大石 義
増井 寿一
小梁 典子
- 出版者
- 静岡産業大学
- 雑誌
- 静岡産業大学情報学部研究紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.131-143, 2008
静岡産業大学情報学部では、授業で利用する資料としてデジタルコンテンツを学生に配付したり、課題をデジタルデータとして提出させたりしている教員がいる。しかし、その配付や提出の方法は各教員により異なるため、統一した教材サーバを確立し効率の良い授業展開が行われることが望まれている。当初は商用の外部サーバシステムの利用を考えてみたが、商用であるため有料であり、利用する教員のみならず、学生も課題提出などを行うためには有料アカウント登録をする必要があったり、本学部のコンピュータ演習室に設置されているMacintosh(3室120台)上では利用することができなかったりしたために断念することになった。一方、多くの大学が有料の教育支援システムを導入して、デジタル教材の提供、テスト問題の出題、提出、採点、記録や出席管理等を総合的に行っており私立大学情報教育協会の調査によると、平成20年度には7割の私立大学がこのシステムの導入をする計画を持っている。しかし、本学においては予算的な面などからも高額な有料ソフトを導入することは難しい。そこで、国内の大学でも利用され、事例報告等も多くされているMoodle(ムードル:Modular Object-Oriented Dynamic Learning Environment)を利用することを考えた。Moodleは海外で開発され、オープンソースであるフリーソフトウェアのLMS (Learning Management System)であり、このソフトを本学部の複雑なカリキュラム体系に適合するようにカスタマイズすることで、多くの教員がストレスを感じること無く利用できるシステムを構築することができると思われる。教員がコンピュータに関して初心者であっても、比較的簡単に学生に対して教材の提供を行うことができるシステムを構築できるか検証することにした。