著者
増井 三夫 宮沢 謙市 海野 浩 大石 義敬
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.199-215, 2005-09-30

本稿はJ.ハーバーマスのコミュニケイション的行為研究法の開発研究第2報になる。中学生の逸脱行為をインタビューからどこまで叙述できるか。この方法の開発が今回試みられる。ここで採用される分析方法はテキスト解釈学の方法でインタビューはテキストとして扱われる。従来はエソノメソドロジーが有力な方法であった。たしかにその方法では生徒の規範的行為は解釈できる。しかし逸脱行為は日常生活世界における事実認識・規範意識・身体表現の諸相が様々な場面に未分化な形で現れる。エソノメソドロジーではこの<状況>を叙述することは難しい(増井他(1):235以下)。本稿はこの複雑で未分化な行為<状況>をコミュニケイション的行為研究法で分析を試みた。分析は逸脱行為の<状況>をその行為の意味づけによって構成した。かかる<状況>では逸脱者が主役となり周りの生徒が観客となる「親密圏」が生み出されており,それは逸脱者に「居やすさ」の意味を付与された意味空間であった。
著者
田中 泰爾 大石 義彦 朴 炫珍 田坂 裕司 村井 祐一 川北 千春
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.907, pp.21-00297, 2022 (Released:2022-03-25)
参考文献数
24

Drag reduction by bubble injection in turbulent boundary layers was investigated using a 36-m-long flat-bottom model ship. The model ship was towed at 8.0 m/s, resulting in a downstream-distance-based Reynolds number as high as 2.9 × 108. The total resistance exerting on the model ship was reduced, and the resistance reduction increased with the air flow rate for the bubble injection. The local wall shear stress on the bottom plate was measured at multiple locations to clarify the streamwise transition of the drag reduction. The local drag reduction observed at the upstream measurement locations was increased with the air flow rate. The higher gas flow rate, moreover, produced the longer streamwise persistence of the drag-reduction effect. These multiple factors improved the efficiency of the total resistance reduction against the power consumption for the bubble injection. We provide the estimation of total frictional drag reduction for the full-scale ships using the equation of the local friction coefficient obtained experimentally. The results of the model ship experiment and the full-scale estimation consistently indicated that the downstream persistence of the local drag-reduction effect strongly affect the total drag reduction of such the long hulls.
著者
村井 祐一 石川 正明 田坂 裕司 熊谷 一郎 北川 石英 大石 義彦
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2011年の大震災以来,エネルギーの効率的な生産と効果的な利用が,持続可能な社会を目指す上で早急に実現すべき人類の課題として最重要視されてきた.このうち海運分野で重責を担う革新的省エネ技術が,二相流を利用した乱流摩擦抵抗低減技術である.船舶の10%の抵抗低減が世界全体で2GW(年間CO2換算で2100メガトン)の省エネを実現する.本課題では,高レイノルズ数環境にある二相流力学的な「摂理」(多次元性,マルチスケール性,ならびに著しい非定常性・不規則性)を真正面から扱い,5%以下の僅かなボイド率で30%以上の正味抵抗低減率を「常に」得るような二相乱流のスマート制御を達成した.
著者
大石 義 増井 寿一 小梁 典子
出版者
静岡産業大学
雑誌
静岡産業大学情報学部研究紀要
巻号頁・発行日
vol.10, pp.131-143, 2008

静岡産業大学情報学部では、授業で利用する資料としてデジタルコンテンツを学生に配付したり、課題をデジタルデータとして提出させたりしている教員がいる。しかし、その配付や提出の方法は各教員により異なるため、統一した教材サーバを確立し効率の良い授業展開が行われることが望まれている。当初は商用の外部サーバシステムの利用を考えてみたが、商用であるため有料であり、利用する教員のみならず、学生も課題提出などを行うためには有料アカウント登録をする必要があったり、本学部のコンピュータ演習室に設置されているMacintosh(3室120台)上では利用することができなかったりしたために断念することになった。一方、多くの大学が有料の教育支援システムを導入して、デジタル教材の提供、テスト問題の出題、提出、採点、記録や出席管理等を総合的に行っており私立大学情報教育協会の調査によると、平成20年度には7割の私立大学がこのシステムの導入をする計画を持っている。しかし、本学においては予算的な面などからも高額な有料ソフトを導入することは難しい。そこで、国内の大学でも利用され、事例報告等も多くされているMoodle(ムードル:Modular Object-Oriented Dynamic Learning Environment)を利用することを考えた。Moodleは海外で開発され、オープンソースであるフリーソフトウェアのLMS (Learning Management System)であり、このソフトを本学部の複雑なカリキュラム体系に適合するようにカスタマイズすることで、多くの教員がストレスを感じること無く利用できるシステムを構築することができると思われる。教員がコンピュータに関して初心者であっても、比較的簡単に学生に対して教材の提供を行うことができるシステムを構築できるか検証することにした。