著者
小椋 知子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.43-46, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
8

本稿の目的は,スペイン語文化圏の小学校乗法指導系統上における乗数・被乗数の順序の扱いにかかる営みを,コロンビアの事例において示すことにある.そのために,教育省基準および教科書の乗法指導系統における乗法式2表現(「乗数×被乗数」「被乗数×乗数」)の扱いを時系列で分析した.その結果,教育省基準の変遷に「2表現の文脈に応じた混在」→「乗数×被乗数」→「被乗数×乗数」の系統の出現が確認された.スペイン語由来の式表現(乗数×被乗数)では,導入時はよくとも上位学校における文字式で必要となる複合式は立式できず,乗数作用素(乗数×)を除数作用素(×除数)と揃えることで可能になる.教科書により異なる「被乗数×乗数」導入時期の検討が課題となる.日本の場合,指導系統の中で言語に準じた式表現を導入時から一貫して用いることができる.