著者
小椋 麗子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-02-07

インプラント及びその対合歯に対して,咬合面上の各部位での咬合力,咬合感覚の測定を行い,インプラントへの咬合接触の付与様式を模索した.被験歯である下顎第一大臼歯部インプラントの咬合力には各測定点間で有意差は認められず,対合歯である上顎第一大臼歯では中央が頬側と比較して有意に高い結果となった.また,咬合感覚は上下顎共に各測定点間で有意な差は認められず,咬合力との相関も認められなかった.以上から,インプラントは咬合面のどの部位でも比較的安定した咬合力と咬みやすさを得られる一方,咬合感覚を得にくくなるため,天然歯よりも歯周組織やインプラント対合歯に対する影響を自覚しづらくなる可能性が示唆された.