著者
小池 進介
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

大学生259名を対象にした調査は218名(84.1%)について1年後調査を得て、現在2年後調査を実施中である。精神疾患に対するスティグマ軽減戦略を検証するRCT結果についてまとめ、国際誌に投稿した(現在査読中)。母子調査は、計画研究の橋本龍一郎分担研究者、岡本泰昌分担研究者に指導を受け、134名に対して実施した。解析結果より、Positiveな単語(例.親切だ)についての、3人称(母)視点の自己評価(例.お母さん(お父さん)はわたしのことを、親切だ、と思っている)と1人称視点の他者評価(例.(お子さんはどれに当てはまりますか)親切だ)との回答差が、メタ認知能力をもっとも適切に示しやすいことを明らかにした(H28.1.24成果報告会)。また、同様に聴取した東京ティーンコホート親子25ペアについても予備的に検討し、メタ認知能力が10歳児でより低いことを明らかにした。現在、この結果をまとめ英文誌に投稿する予定である。また、母子調査をもちいた精神疾患に対するスティグマの親子間比較および相関結果について、英文誌に投稿した(現在査読中)。さらに、母のスティグマが、上述のRCT介入結果に独立して影響を与えることを示し(成果報告会)、今後この結果をまとめ英文誌に投稿する。MRIを含めたバイオサンプル計測を80名に対して実施した。今後、解析を進める。そのほかのサンプルとして、英国1946年出生コホートデータを用いて、13歳および15歳時の自己制御能力が、15歳から63歳までの体重増加に影響することを明らかにした(Koike et al., Int J Obes (Lond) 2015)。また、精神疾患のスティグマに関連して、統合失調症の名称変更によってマスメディアの報道に違いが出たかを30年間にわたる新聞記事2200万件の解析を行った(Koike et al., Schizophr Bull in press, 日経プレスリリースほか)。