著者
石田 賢治 小沢 千絵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.97, no.15, pp.39-46, 1997-04-21

インターネット上で公開された電子的な著作物は操作が容易なため,大量の著作権侵害の可能性が大きな問題となっている.また,従来インターネット利用者の権利意識の低さもいくつか指摘されている.しかしながら,インターネット上の著作物に関する権利意識を定量的に調査した報告は未だ行われていない.本稿では,1996年10月25日現在JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)に登録されている8736個のドメインに対応するWWWのホームページ上の著作権に関する注意書きを収集し,著作権者の権利意識を定量的に調査した.その結果,(1)著作権に関する注意書きのあったページは全体では36.6%である,(2)個別の権利に触れたページはわずか5.4%である,(3)自らのホームページ上の著作物をどう扱わせたいかを指示しているホームページはさらに少なく1.9%である,ことが分かった.